調理師学校を得て、調理師として約7年間働いてきたゴン太です。
調理師をしてきて、当たり前の野菜や珍しい野菜をたくさん見てきました。
名前は知ってても、イマイチ栄養価とか産地とか知らないもんですよね。
野菜の「基本」を知っておけば、食卓彩って料理も楽しくなります!
そこで、野菜たちの基本から豆知識を紹介していきます。
今回は、ナスについてです。
ナスの色と種類
ナスの色と言えば、「紫」ですね。
中はクリーム色をしています。
ナスの皮が紫色をしているのは、ポルフェノールのアントシアニンからきています。
白ナスはアントシアニンがないため、白色をしているということです。
白ナスにもしっかり栄養は入っていて、とろける食感がクセになる美味しいナスです。
もっと詳しく、それぞれのナスの種類をみてみましょう。
千両ナス
別名「中長ナス」。
長さ12~15㎝でもっとも流通している種類です。
ほぼ1年中出回っていて、料理もしやすいナス。
8㎝にも満たないものは、小ナスに分類されます。
長ナス
長さ20㎝~25㎝になるナスです。
早いと4月頃には出荷され始めます。
地方によって、さらに細かく分類されますが、皮の固さや身の柔らかさで区別するようです。
40~45㎝にもなると、大長ナスに分類されます。
最大で60㎝。
皮が固いので乾燥に強く、しかし身が柔らかいナスです。
丸ナス
見た目が丸く皮が固いのが特徴的です。
直径は10㎝ほどになりますので、焼くより煮物に向いています。
さらに小さいものを小丸ナスとも呼びます。
水ナス
水ナスは、大阪南部の地域の特産品です。
通常のナスより丸みを帯びているのが特徴。
池が多く存在し、水が豊富なことでナスの栽培に適しています。
皮も柔らかく、身は瑞々しいため生でいただくのがおすすめです。
米ナス
アメリカ品種(ブラックビューティー)を日本で改良されたのが米(べい)ナスです。
身が固めなので、煮込み料理にも適していて食感を楽しめる種類となっています。
ヘタが緑色をしているのも特徴的です。
栄養は皮にある
ナスには、「ナスニン」と「食物繊維」が豊富に含まれています。
その栄養が多く含まれているのが「皮」の部分なんです。
食物繊維は何となく分かりますよね。
他にもカリウムが豊富で、余分な塩分を外に出してくれるためむくみの改善にもなります。
カリウムは熱に弱いのでお漬物などでいただくとより効果が期待できますよ。
ナス1本の摂取は、1日に必要な食物繊維を摂取できる計算になるので、便通が気になる人は積極的に食べましょう。
水分90%以上
ナスの水分量は90%以上です。
寒さや乾燥に弱いナスは、栽培から水が命。
たっぷり水分を含んだナスは、ずっしりと重く身が詰まっています。
そのため、持った時に重みがあるナスは新鮮でおいしいです。
【ナスは身体を冷やす】とも言われていますよね。
実際に、ナスには身体を冷やす働きがあるのが分かっています。
そのため、夏野菜の代表とも言えるでしょう。
産地は高知?
ナスの生産量1位は、「高知県」です。
冬から春にかけての生産にも安定した出荷ができるため、出荷量1位になっています。
日照時間が長いことと、質のいい水が豊富にあることが条件です。
高知県には瀬戸内海が豊富で、地形から日照時間も充分と言えます。
たっぷり日光を浴びたナスは甘味が増し、さらにミネラルも質がいいので美味しいナスができあがるのです。
次いで、熊本県や群馬県が続きます。
正しい保存方法
ナスは、寒さに弱い野菜です。
冷蔵庫の中では傷みやすいので、野菜室がある場合は野菜室で保存しましょう。
ヘタを上にするとより長持ちします。
湿ったキッチンペーパーなどで包んでポリ袋に入れておけば、常温でも保存可能です。
冷暗所で、できるだけ早くいただきましょう。
冷凍保存もできる?
ナスは冷凍保存も可能です。
が、水っぽくなるのでおすすめはしません。
冷凍保存の方法は、一口大に切ってから水にさらしてアクを抜きます。
しっかり水分をふき取ってから、ポリ袋にいれて重ならないようにしましょう。
自然解凍はせず、冷凍のまま料理すれば水っぽさは抑えられますよ。
色の変色を防ぐには?
ナスを調理する上で問題なのが、「変色」してしまうことです。
ポルフェノールが酸化することで茶色や黒色になります。
色が悪いと、料理の色どりもなく食欲もそそられないですよね。
そのため色止めをして変色を防ぐ事が必要です。
色止め方法は、主に5つ。
- 水にさらす
- 隠し包丁を入れる
- 酸性調味料を使う
- ミョウバン水にくぐらす
- 油通しする
一般家庭で行うのが、水にさらす方法でしょう。
簡単ですし、同時にアク抜きもすることができます。
しかし、水にさらしすぎると栄養も一緒に流れてしまうので2~3分だけにしましょう。
酸性調味料は、酢やレモンなどのことです。
炒める際に一緒に混ぜておくと色の鮮やかさを保てます。
酸味の強いトマトなどの食材と一緒に炒めるのも、色止めの効果が期待できますよ。
油は、栄養分を閉じ込める効果もあるので、皮に油を塗って使用するとナスの効果充分に摂取することができます。
まとめ
今回は、ナスについてまとめました。
- 千両ナス・長ナス・丸ナス・水ナス・米ナスなどがある
- 栄養は皮に多く含まれている
- 産地は高知で、年中安定した出荷がある
- 寒さに弱いので、常温でも保存できる
- 変色は水にさらすと防げる
- 2~3分程度、それ以上は栄養も流れる
以上のことが分かりました。
子どもの頃は、ナスが苦手だったという人も多いはずです。
栄養たっぷりで、身体の熱も排出してくれるため夏はおすすめ。
主役として料理に多用できるのもナスのいいところですね。